シリーズAの調達を目指すスタートアップが「KPIを整理したい」と相談に来るケースが増えています。多くの場合、問題は「KPIが多すぎる」か「投資家向けのKPIと経営管理用のKPIが混在している」かのどちらかです。この記事では、KPI設計の基本と、よくある落とし穴を整理します。

投資家が見るKPIと経営者が管理するKPIは別物

投資家向けのKPIは、「このビジネスがスケールするか」を示すための指標です。MRR、チャーンレート、CAC/LTVが代表的です。一方、経営者が日々管理するKPIは、「今週何をすべきか」を判断するための指標です。この二つを混同すると、投資家向けには見栄えが良いが現場では使えない、という状態になります。

KPIは「3つまで」に絞る

経営管理用のKPIは、3つまでに絞ることを推奨しています。理由は単純で、人間が同時に注意を払えるものの数には限界があるからです。10個のKPIを追いかけているチームは、実際には何も追いかけていないのと同じです。「今の自分たちのフェーズで最も重要な3つは何か」を決めることが、KPI設計の本質です。

先行指標と遅行指標を区別する

売上は遅行指標です。売上が下がったことがわかった時点では、すでに手遅れのことが多い。先行指標とは、売上が変化する前に動く指標のことです。例えば、SaaSであれば「トライアル開始数」や「機能の利用頻度」が先行指標になり得ます。先行指標を正しく設定できると、問題を早期に発見できます。

Vault Meshyxでのサポート内容

スタートアップ向けの事業加速支援では、KPIツリーの設計を必ず含めています。現状のデータを整理した上で、「投資家向けに見せるKPI」と「週次で追うKPI」を分けて設計します。過去に支援したBtoB SaaSのA社では、KPIツリーの再設計後、週次の経営会議の時間が90分から45分に短縮されました。

KPIの設計は、一度決めたら終わりではありません。ビジネスのフェーズが変わるたびに見直す必要があります。よくある質問を確認するか、スポット・セッションで一緒に整理することもできます。